アマゾンの新サービス
2007-06-10


消費者心理の問題ということになるのだろうか?アマゾンが、年会費3,900円で、商品の配送料が一切タダとなる新しいビジネス・モデルを開始した。これまでは1回購入金額が1,500円以上の場合には送料がかからなかったが、1,500円未満であれば送料の負担があった。だから1冊1,000円の本を例えば350円の送料を払って購入するということはほとんどなかったのではないかと推察される。ばかばかしいと判断して買うのをやめるか、とりあえずあまり読みたいわけではないが、あってもよい本を1冊追加して1,500円の条件をクリアする、という選択肢を選んできたのではないかと思う。それが年間3,900円の負担で、ハードルが一挙に下がった。のみならずこれまでは追加料が必要だった「お急ぎ便」も無料となる。おそらく予想以上のユーザーが、この新サービスに乗るのではないか。しかも一度払った3,900円を「回収しなければ?!」の心理から、従来よりも購入頻度も増えるのではないか。アマゾンの創業者にして現CEOのジェフ・ベゾスは「ネットインフラが充実し携帯電話での通信も充実した日本なら、確実に成功する」と言っているとのこと。「欲しい!」と思ったら即購入手続きに入り、その流れに掉さす、一見凡庸に見えながらも意外な威力を発揮する仕掛けのような気がする。

消費者心理という点では、今朝の日経に紹介されていた、値引きよりもポイント発生を好む消費者が多い、というのもちょっと面白い現象だ。
[マーケティング]

コメント(全4件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット