「名残の雪」異聞
2010-03-10


「名残の雪」は,“超芸術トマソン”の階段も演出した
禺画像]

 朝,起きたら目の前に「なごり雪」があった。
春なのに残っている雪ではない。春なのに降る雪である。
季節はずれの雪,伊勢正三がうたい,イルカが広めた,
あの「なごり雪」の情景である。
ラジオは「24センチの積雪」と伝えた。
が,見た目は30センチ。
久しく積雪を経験しなかったので,気分は多めに見積もることになる。

出かける前に雪かきをした。
袋小路となっており,
都合限定された七世帯ほどが共用する道を“拓いた”。
行き止まりには,某大手損保の社宅があり,比較的若い五世帯が暮らす。
出勤する“損保マン”が,雪かきしている前を通る。
たった一言「おはようございます」。
これが,限定七世帯の一員のことばなのである。

これを,いかに解釈すべきか。

かつて大雪に見舞われた時,当時の“損保マン”は率先して雪かきをした。
後れをとった当方は,恐縮しつつ,作業に加わり,
会話を交えながら,短時間で仕上げた。
朝めし前のすがしい動作であった。
共同作業の“力”を実感する何かがあった。

きょうび,それが変わった。
たった一言「おはようございます」
で通り過ぎる関係に変わったのである。
雪かき作業への言及は一切ない関係へ。
これを「けしからん」,「不届きだ」とみなすか,否か。

結論は,現在の若い“損保マン”とて,
雪かき作業に加わらないことは気に掛かっており,
それが「おはようございます」という挨拶として表現された,
と考えることにした。
普段は会っても,いかにも面倒くさそうに,会釈するだけだからである。
言葉を発することは非日常そのものだったのである。きっと!!

それにしても,損保マンの若きパートナーにも驚かされた。

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